製剤課の最近のブログ記事

あなたの献血してくださった血液って、どうなる!?〜第5話〜

2012年2月27日 17:32

ようこそ製剤課へ!!

 前回までは、献血血液がどのような工程を経て輸血用血液製剤になるのか紹介しました。
 今回は、病院の依頼を受けてから製造する洗浄赤血球(正式名:照射洗浄赤血球−LR「日赤」)を紹介します。当センターの製造数は、1日に約30〜40本で全国一の多さです。

Q.「洗浄赤血球」とは?
A."洗浄"と頭につくように、赤血球濃厚液(正式名:照射赤血球濃厚液−LR「日赤」)を生理食塩液※で洗浄します。第3話で紹介した赤血球濃厚液のうち、採血後10日以内の輸血用血液製剤を原料として使用します。
✧有効期間:製造後24時間
✧ 保存温度:2〜6℃
✧ 効能・効果:血液中の赤血球の不足や、血しょうなどによる副作用を避ける場合の
      輸血に使用
※生理食塩液:血液・組織液と浸透圧の等しい約0.9%の塩化ナトリウム液


Q.どうして赤血球製剤を洗うの?
A.赤血球濃厚液には少量の血しょうなどが残っています。これらにより、輸血を受けた患者さんが副作用を起こすことがあります。このような患者さんのために、赤血球製剤を洗浄して血しょうなどを除去します。

製造方法
1.無菌状態でチューブをつなぐ機械を使用して、赤血球製剤、生理食塩液、空のバッグのチューブをつなげます。
seizou.png
2.赤血球製剤に生理食塩液を加え、大容量冷却遠心機にセットします。
enshinki.png

3.赤血球製剤が血しょうを含む生理食塩液の層と、赤血球の層に分かれるので、生理食塩液の層を空のバッグに移します。
seirisyokuen.png
写真左:生理食塩液を抜き初めてすぐの物です。
写真中央:板に挟まれ生理食塩液は下のバッグに移ります。
生理食塩液でいっぱいになったバッグは廃棄します。

4.規定の重さであることを確認後、ラベルを貼付し、包装して完成です。
housou.png

 今後も私たちは、患者さんのことを第一に考え、皆さんからいただいた献血血液から、安全で信頼性の高い輸血用血液製剤を製造します。

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あなたの献血してくださった血液って、どうなっている!?〜第4話〜

2010年12月 1日 00:00

製剤課へようこそ!!

 前回(第3回:2009年12月更新)は、血液を遠心分離機という機械によって血漿と赤血球の層に分離した後、別々のバッグに自動分離して保管する工程をご紹介しました。
 今回は、血液への放射線照射についてご紹介します。

 当センターでは、3台の放射線照射機で1日300〜400本前後の輸血用血液(血小板製剤と赤血球製剤)に放射線照射を行っています。


 製剤別に決められた本数や厚みを確認してトレイに並べ、最下部には放射線検知紙を入れて、確実に放射線が透過しているか照射後に確認します。seizai3.jpg

 トレイ内の厚みに応じて機器を設定し、決められた線量(15Gy)が照射されます。
 照射後の血液は、所定のラベルを貼付・包装した後、適正な温度で保管します。
seizai4.jpg


放射線照射は、輸血後GVHDを予防
 輸血後GVHD(Graft Versus Host Desease:移植片対宿主病)とは、輸血した血液の細胞が患者さんの体内で増殖し、その細胞が患者さんの細胞を攻撃・傷害する病気です。
 一度発症すると症状が重くなることが多く、重篤な輸血副作用です。
 この原因には、輸血された血液の細胞の一種であるリンパ球が関わっているため、低線量の照射によりリンパ球のDNAを切断し、輸血後のリンパ球増殖を防ぎます。


皆さまに献血いただいた血液は、さまざまな工程を経て、
より安全に患者さんにお届けしています。

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あなたの献血してくださった血液って、どうなっている!?〜第3話〜

2009年12月 1日 15:22

ようこそ、製剤課へ!!
 前回(第2話;2008年12月更新)の時は、 血液は遠心機という機械によって血漿と赤血球に分離することをお話しました。
 今回は、400mL献血の血液の分離後について前回の続きをお話します。20091201-1.png



<写真1> は、血液自動分離装置3台に3人分の献血血液をセットしています。(全部で9台あります。)

血液自動分離装置は、遠心機によって、2層に分かれた血液を「赤血球」と「血漿」に分離する機械です。

上層部分の「血漿」は左上のバッグに移動し、下層の「赤血球」には右上から保存用の液体が注入されて分離終了です。
20091201-2.png
<写真2>は、1人分の400mL献血血液を自動分離装置(分離後)から取り出したものです。「赤血球」と「血漿」は別々のバッグに分かれました。

これを切り離します。

切り離した「赤血球」と「血漿」はそれぞれ、定められた容量内か測定した後、製剤ラベルを貼付し、適正な温度で保管します。


赤血球について<写真3 左>

輸血用血液 「赤血球濃厚液-LR」(400mL献血に由来する赤血球1袋)<写真3>
になります。
 
また、輸血後GVHD(移植片対宿主病)の予防方法として有効な放射線照射(15Gy)を行い、「照射赤血球濃厚液-LR」(400mL献血に由来する赤血球1袋)になります。 

血液への放射線照射については、次回詳しくお話します。     
20091201-3.png
 
血漿について <写真3 右>

大型冷凍庫で凍らせて-20度以下に保ち、「新鮮凍結血漿-LR」(400mL献血に由来する血漿1袋)になります。

 このように、広島県及び島根県内で皆さんに献血いただいた血液は、製剤課に搬入されてから約1時間で、それぞれの製剤に調製されています。
 
 私たちは、血液を大切に扱い、そして患者さんの安全性を考慮しつつ日々輸血用血液を調製しています。

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あなたの献血してくださった血液って、どうなっている!?〜第2話〜

2008年12月 2日 13:15

20081120-1.png
  ようこそ、製剤課へ!!

 前回(第1話;2008年1月更新)の時は、献血していただいた血液はまず、白血球を除去するということをお話しました。
 白血球は体内で自分以外の細胞を敵とみなして攻撃することで、体を守っています。しかし、輸血によって患者さんの体内に入ってしまうと発熱などを起こす場合があるのです。

 その後、血液は遠心機という機械によって血漿と赤血球に分離します。
 この遠心機、通常1分間に約4,700回転もするんです!!
 これをおよそ7分間行うと・・・



20081120-4.png


20081120-3.png
 分離した血液は次に、“自動分離装置”という機械を使って血漿や赤血球という成分ごとに分離されます。

 このように、県内各献血会場において皆さんに献血いただいた大切な血液は、機械を使って患者さんへお届けできるよう調製をしています。
 まだまだ多くの工程を経て、患者さんが待つ医療機関へお届けしているのですが…続きは次回に。                

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白血球は輸血の敵!? 〜血液センター1年目、新人の驚き〜

2008年1月 4日 10:34

 最近「献血した血液ってそのまま患者に輸血されるん??」とよく聞かれます。

 答えは、NO!です。血液は各成分に分離・調製され、患者さんの元に届けられます。
 「医療機関が必要とする血液製剤をつくる」、私が働く製剤課の仕事を紹介します。


Q:これは献血していただいた血液を受け入れた後、最初に行う作業です。
  何をしているところでしょうか?


seizai.png

A:献血していただいた200mL、400mLの血液から白血球を除去しているところです。

 平成19年1月16日から、全血献血由来の血液製剤に対して、血液の保存前に白血球を除去する「保存前白血球除去」が開始されました。

 白血球は、体内で自分以外の細胞などを外敵とみなして攻撃し、体を守ってくれています。
 しかし、輸血によって患者さんの体に入ると、発熱などの副作用を起こす厄介な存在になって
しまうことがあるのです。
 写真のように、血液を吊り下げてフィルターに通し、大部分の白血球をあらかじめ除去することで、輸血副作用の軽減が期待されます。


 今後とも「より安全な血液」を患者さんに届けるため、製剤課は進化し続けます!

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